子どもを遊びに連れて行くワケ
私が子どもと遊びに行く理由、それは、子どもに色んな体験をさせるため。
この一言に尽きます。
私は普段、公立の小中学校でスクールカウンセラーとして勤務しています。最近の子どもたちを見ていると、自分の感覚や感情に鈍い子や、自分の気持ちを表現できないこととキレてしまうことには関係があるように感じています。
『思いやりを持った子になってほしい』と多くの親が願いますが、まずは、自分の気持ちや感覚を適切に認識することができなければ次の段階である相手の気持ちや感覚を感じとることができないと思うのです。
また、実際に身体を使って体験することによる学習の方が、見聞きする学習よりも、内容の濃さも深さも細かさも上を行くでしょう。遊びを通した『経験』は、子どもにとってあらゆることの学習になります。
テレビで色々見るよりも、実際に行って見る、触れる。どんな場所か、どんな大きさか、どんな感覚か。五感を使って体験すること以上の学びってないと思います。
だから子どもに色んな経験をさせたい。色んなものを見せたいと思います。実際に見聞きし、触れた時に感じたこと一つ一つが心の襞(ひだ)となり、元風景として彼らの中に残ってくれることを願い、毎週どこにいこうかな~♪とワクワクしています。
我々大人は、子どもの感じている感情や感覚と言葉を結びつける役割を持っています。
子どもが転んで泣いていたら『痛かったね』楽しそうに笑っていたら『楽しいね』と、気持ちと言葉を結びつけてあげることを『感情の社会化』といいます。
感情と言葉を結びつけてあげることで子どもはだんだんと自分の身体の中を流れるエネルギーの正体を認識することが出来るようになり、やがてそれらを表現することが出来るようになります。
感情の社会化について、思春期のキレる行動との関連を研究している大河原先生の書籍が色々ありますが、中でも読みやすく、より実例に基づいて書かれている『ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある』には大変興味深いことが書かれていました。
普段、子どもが泣き出すと『泣かないの!』とか『大丈夫大丈夫!』という言葉を言ってしまいがちです。大河原先生によればこれらの言葉は、大人自身が負の感情を受け止めきれないことも関係しているようです。
『ちゃんと泣ける子に育てよう』を読んで、『ちゃんと泣ける子』=自分の感覚や感情をきちんと感じ、表現することができる子なんだ。という風に見方が変わり、日々の子育ての中で我が子に対する言葉かけも変化してきたように思います。
ネガティブな感情こそ大人がしっかり受け止めてあげることで、子どもは自分の感情をきちんと感じ、表現できる力が養われていくのです。
そうやって感情を表現する(伝える)力を蓄えた子どもは成長し、ネガティブな気持ちも言葉で伝えられるようになります。
子どもが色んなことを感じ、表現する場をたくさん作りたい!というわけで今週も我が子を連れて遊べる場所を探すのでした…。