講演会「ネット・スマホから子どもたちを守るために知っておきたいこと!」を聞いてきました。
去った土曜日、教育委員会の主催で行われた講演会に参加してきました。我が家の子どもたちはスマホやタブレットは持たせていないのですが、テレビはつけていたら消すまで見ているし、ゆくゆくは使うことになるのは目に見えています。
そして、何よりも仕事上でお会いする保護者の方々の多くが子どものスマホやゲームの使い方や使用時間について悩んでいるからです。「なぜ子どもにネットを使わせる前にルールを作ったり、守れる環境を作らないんだろう」と疑問だったのと、「親が子供よりも勉強して知っておかなければいけない」と強く感じていました。
子どもたちのスマホの使い方は家庭によって様々です。
例えば、LINEのタイムラインに昔お世話になった恩師から届いたというその子を諭すようなメールをアップしてしまう子がいたり、友人との会話のやり取りをスクリーンショットしてあげちゃう子がいたり。かと思えば、学校で喫煙中の画像をツイッターで呟いてしまう子もいたりします。
最悪な使い方として、子ども同士の暴力動画を動画投稿サイトに投稿してしまい問題になったこともありました。
講師の先生のお話では、彼らの共通点として挙げられることは「ネットが全世界に向けて発信されている」ことが意識できていないというお話でした。この子たちにとって、発信している情報は自分の友達に向けて発信しているもので、世の中に見せようという気持ちはないことが多いのだとか。ここは、大人がしっかり説明しなくちゃいけないなぁと思ったポイントでした。
それからもう一つ、スマホやゲームが子どもの心にどんな影響を及ぼすのかという話。ここは、心理士でもある私からの意見も交えていきます。
私たちの脳の中で「感情のコントロール」という機能を担っている部分は「前頭前野」です。お聞きになったことのある方もおられるのではないでしょうか。
当たり前ですが、子どもの脳は前頭前野が未発達です。それが成長の過程でいろいろな体験をすることによって発達していくのですが、前頭前野の発達が促される(血流が良くなる)行動があります。それは…
・親との会話
・音読
・簡単な計算
・漢字の書き取り
です。
逆に、前頭前野の血流量が減ってしまう行動は、予想通りゲームをしているとき、スマホやテレビで動画を見ているときなんだそう。
ママ会のランチに行くときに時々目にするのですが、子どもを一緒に連れてきているママが子どもを静かにさせるためにスマホの動画を見せたりゲームをさせたりしている光景。最近では、「名前を呼んでも振り向かない、笑わない、言葉が出ない」という乳児が小児科を受診するケースが増えているとのこと。
小児科のお医者さんは「1か月テレビ、スマホを見せる時間を1日1時間以内にしてください」と指示するそうです。そうすると1か月後には定型発達の子どものように年齢相応の発達を見せるようになるのだとか。講師の先生曰くこれは、後天性の発達障害・コミュニケーション障害ということでした。そして、そのような状態で適切な療育や支援が受けられなかった場合には、不適応を起こしてしまい、不登校や引きこもり、ニートと発展していく恐れがあるそうです(この部分は私も賛成)。
前頭前野の活動状態の悪い子は、自己肯定感が低く、相手の痛みを想像できない、社会性・共感性の欠如、表情が乏しく気力がない、感情のコントロールが難しく「キレる」、忘れっぽいなどの特徴があります。
先に前頭前野の活動を活発にする方法を述べましたが、乳幼児の場合は絵本の読み聞かせも有効です。兄弟がいる場合などは、上の子が下の子に読み聞かせをしてあげると「上の子は声に出して本を読むことで前頭前野が活発に動き、下の子の喜ぶ顔を見て自己肯定感が上がる&下の子は読み聞かせをしてもらうことで前頭前野が活発に動く」というふうに両方に良い効果があるので一石二鳥ですね。
体を使った体験的な遊び、どんどんさせていきたいと思います!!
感情の発達について研究しています。こちらの本もお勧めです。
ちゃんと泣ける子に育てよう [ 大河原美似 ]
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